cloister

心の奥にある気持を伝えるのは、いつも難しい。
いま生まれたばかりの気持は言葉に出しやすいのに、時間をかけて熟成されると発芽しない種のように出てこない。

まだカフェがはやるまえから通い続けている京都の喫茶店に3年ぶりに行ってきました。あまり人の通らない裏通りもいまや路地の様子になりましたが、ちゃんとそこに変らずに待っていてくれました。

この喫茶はひとりできりもりされているので、いつも目で会話することができました。こんにちは良く来たね。お店に入るとそんな笑顔を一瞬みせてくれたあとに渋い落ち着いた声で「いらっしゃいませ」と言っていただけます。

今回はお店に入ったときも、注文をお願いするときもそんな顔を見る事ができません。

「私のこと、わかりますか?」
この一言できっと思い出してくれたのだろうけど、言えませんでした。

でもまったく変らずに美味しい珈琲とケーキを出してくれました。代わらない事ってとっても大変なことです。
3年前も久しぶりに行ったのに「元気そうだね、いまどこにすんでるの」マスターの落ち着いた声で静かに話しかけてくれました。

今度行く時はスカートや化粧をやめて、ジーパンで出かけたいとおもいます。あのお店の珈琲とケーキに無邪気な笑顔で感動している自分にもどって「おひさしぶりです」って言いたいな。

長い時間をかけて関係を作ってきた人たちに、いまはまだ上手に気持を発芽させることはできません。気持があるのに言葉がないのです。そのうち大切な言葉をつかまえて丁寧に伝えられるようになりたいと思います。

「あなたに出会えて幸せです。ありがとう。」

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