- 2009-02-16 (月) 17:41
- それがどーした
子供の頃、ねずみは害獣であり汚い存在だった。農家にとってネズミは収穫物をあらす悪い存在なのだ。
そのネズミが服を着たりリボンをつけたりしているものが、可愛い存在であると知ったときは異様な気がした。級友たちの服や筆箱にそのネズミは笑っていた。
しばらくすると母がそのネズミのキャラクターが沢山いる遊園地に連れていってくれるという。4人兄妹で上二人はすでに旅行を沢山経験しているが、下二人は旅行の記憶があまりなかったのがその旅行の動機だったと思う。
妹とおそろいの赤いワンピースを着て出かけた楽園には、大きなネズミの入れ物に入った人間が奇妙で大きな動きをしていた。作られた偽物の都市は丸みをおびて祭り気分は人を日常と違う行動を促していた。長い列に並ぶのだのだ何時間も。そして体験できるのは猛スピードの乗り物だったり、機械的な動きをする人形のいる奇妙な世界だった。いつも狂いそうなほど楽観的な音楽が流れていた。夢の国は私が持っている絵本のなかの色彩とは違った。
ここで妹と私はどのように振る舞ってよいのかわからずオドオドしていたから、大きな口の犬のぬいぐるみと写真を撮ったときも強ばった顔をしている。
連れてきてくれた母のために精いっぱいはしゃいで喜んだ。
この作られた街で一番関心したのは、ゴミが落ちていないことだった。
捨てられたゴミは素敵な制服を着た笑顔の若いお兄さんがさっと何事もなかったように所作も美しく拾っていく。
ここが夢の国かもしれない。毎日トイレ掃除をしないと学校に行けない厳しい教育方針とは遠い世界がここだと感じた。みんなやさしくよいことをしたくなるようなこの空間で、どう振る舞えばよいのかをやっと理解したのは帰り際だった。ここはときどき母につれられていく宗教団体と同じ空間ではないかと思いながら踊る行列を見ていた。
帰りのバスで私は酔ってゲーゲー吐いた。千葉から長野なんて今考えるとそう遠くはなかったが、そのときの私は遠くに行くと恐ろしい試練があるように感じていし、もう同級生を羨んで旅行に行ってみたいなんて親に言うことはなかった。
翌日、友達に「私東京デズニーランド行ってきたんだ。たのしかったよ。」とネズミが描かれたクッキーを渡した。そのときからネズミはミッキーマウスという別名をもった。
そうそう、東京ディズニーランドだと知ったのは大学時代のバイト先である。
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